わたぼうし音楽祭が開催されました
【生涯の友人】8月1日にオンラインで開催した「第46回わたぼうし音楽
祭」。たくさんの方にご覧、応援いただき、ありがとうございました!
入選8作品、どれも魂こもった作品ばかりで、拝聴していて多くの感動と刺激をもらえました。
今回ぼくが作曲した「轍と足跡」という作品の詩を書いた太田純平さんは、昨年この音楽祭で大賞をとった方でご本人が2連覇を目指されていたので、今回受賞に至らず、作曲したぼくとしては大変申し訳ない気持ちです。配信後、入選者が残ってみんなで話していたとき、司会の酒井さんから感想をきかれた純平さんは50音のボードを使って一言「くそ!」って言いました(笑)心からの言葉だったはず。それくらい今回も本気で最高の作品を作り上げたと思ってくれていたのでしょう。今回目指したのは「学校で習うような歌じゃなくてJ-popみたいなカッコいい歌にしたい」という純平さんの願いでした。カッコいい歌作るんだ。障がい者かどうかは関係ない。みんなにカッコいい音楽を届けるんだ。そんな信念を二人で共有して作った作品です。
純平さんに初めての作曲も挑戦してもらいました。サビの「僕自身の足跡は2本の車輪と共に今がある」は純平さんが選んだ音で作ったメロディです。純平さんは声も出せないし、体もほとんど動かないけど、本気でインクルーシブ教育について調査のためにイタリアに行こうとしてるし、歌詞の通り「月をも手に取ろうとがんばっている」人です。その原動力は、同じような境遇の仲間たちに自分の輝いてる姿を見せて勇気づけたい。そのために自分が月のように明るく輝くスターになって見せたい。そういう気持ちがぼくには伝わってくるんです。だからぼくも本気になったし、純平さんの心をたくさんの人に伝えたいと思ったんです。
今回受賞できなかったけど、素晴らしい友人を得たことの方が、ぼくにとって大きな宝です。純平さんは「くそ!」って言った後、「この歌は杉田さんと奥村さんが二人でハーモニーするから難しい歌だと思われたのかな」と作曲のぼくをかばうようなことまで言ってくれたんですよ。すごい人だと心の底から思います。もちろんぼくもめちゃくちゃ悔しかったので、もう一度作曲の勉強がんばります!!
下にアーカイブ映像のURLを載せていますので、ぜひ「轍と足跡」お聴きいただけたら嬉しいです。
以下、純平さんのお母さんからもらったメッセージを転載させていただきます。
杉田篤史さん
有難うございました。本当にカッコイイ歌が出来て嬉しいです。純平は毎日来るヘルパーさんや看護婦さんに「良い歌だったねぇ」と言われる度にドヤ顔をしています。
昨日も夕飯の時にヘルパーさんに聞かせて、どうだ!カッコイイだろうとドヤ顔をしていました。(笑い)本当にドレミも解らない子に上手に音を探させて頂き貴重な体験をさせて頂きました。あの時、施設の職員さんやヘルパーに「知ってる?音階ってあるんだよ!一度上がるとか下がるとか言うんだよ」と得意になって伝えていました。音階があるのもあの日初めて知った事でした。
本当に有難うございました。また、わたぼうし音楽祭の入選者との感想のやり取りで「くそ」なんて言ったのはきっと純平が初めてではないでしょうか?
超恥ずかしいと母は思いました。でも、きっと素直な気持ちなんだろうな?YouTubeで障害がある人達の話しやわたぼうし音楽祭の話しをして頂き、聞いている方々が少しでも、興味を持って頂けたら嬉しいです。これからも宜しくお願いします。
▼わたぼうし音楽祭アーカイブ映像URL