のむら里の風芸術祭2022 とは
「のむら里の風芸術祭2022」 開催します!
2022年10月30日(日)
15:00開場 / 16:00開演
会場:乙亥会館 (〒797-1212 愛媛県西予市野村町野村12-10)
出演:INSPi(アカペラ)、葛西 啓之(和太鼓)、和太鼓グループ彩-sai-、和太鼓グループ彩-sai- WiNGS、東川 翼(フラメンコギター)
・愛媛県西予市野村って?
松山から南へ車で高速使って1時間半くらい。山あいの小さな町。宇和島の少し北に位置します。野村町の中心の里、野村地域は人口5000人足らずの小さな町です。野村は「ミルクとシルクのまち」として酪農と養蚕が栄えた地域でした。今でも地域の中に牛小屋があって朝、牛さんのモーーーーっていう声で目覚めることもあります。地域の文化としては相撲・酒が重要な要素となります。
乙亥大相撲(おといおおずもう)は1857年から始まった奉納相撲で、地域が何度も大火にあっていたことから無火災を祈願して始まりました。そんな由来から、毎年乙亥大相撲の期間は小雨が降る「神さんの恵み」があるという伝説も。このフレーズは地域のみなさんと一緒に作った歌「野村人煦」の歌詞にも入っています。2022年には170回を迎えた乙亥大相撲は途中幾度の戦争にも災害にも途切れることなく、地域のみなさんの努力により継続されてきました。プロもアマも入り乱れての取組、乙亥大相撲の土俵は真剣勝負で、いつも和やかな野村とは空気が一変する瞬間です。
http://ehimesumo.la.coocan.jp/PDF/otoisumo.pdf
相撲やその他さまざまな行事、また地域のみんなで共同で当たらねばならない仕事には、必ず「慰労会」という飲み会がついてきます。相撲の稽古の後には慰労会、共同の草刈りの後には慰労会、地域の話し合いの後には慰労会、といった具合に全ての集まりには飲み会がセットといっても過言ではありません。「飲む村、のむら」と周辺の地域で称されています。酒にまつわる様々な伝説はぜひ野村にお越しいただき、地元の方と酒をかわしながら聴いていただきたいです。僕が聴いた中でも印象的なのを一つ。「ひでかっちゃん」とおっしゃる伝説の地元力士が、ヘルメットになみなみとウィスキーを注いで一気に飲み干していた、というエピソード。
野村の酒、といえば大事な風習が「サシアイ」。お礼や歓迎の意味を込めて相手と自分が同じグラスで酒を飲み干す。サシ合えば少々話し合いで意見が食い違っても丸く収まり、初めてあった同士でも友達や家族のような関係に。本当の野村を知るには地元の人とサシ合うこと。これは間違いないです。
・なんで杉田が野村に?
2017年頃、ハーモニーからコミュニケーションやチームビルディングを考える「ハモニケーション」ワークショップを開始した杉田が、その効果を学術的にも証明したいと考え、友人の紹介で知り合った愛媛大学社会共創学部の羽鳥先生と共同研究を始めたのが翌年2018年。「平成30年7月豪雨(西日本豪雨)」が発生したのはその年でした。甚大な被害を受けた野村地域に元々研究調査で頻繁に訪れていた羽鳥先生から、地域の子どもたちに心的ショックの兆候があるという話を伺い、何か音楽で野村の人たちの支えになることができないかまずは現地でお話を伺ってみよう、ということで同年9月に杉田は初めて野村を訪れました。
まだ水害の跡や土埃の残る野村の町で、保育所や小学校の先生方と打ち合わせる時に、ふと思い出したのが2011年東日本大震災の翌年、宮城県気仙中学校をINSPiで訪れた時のこと。INSPiが歌ったあと、生徒の皆さんが校歌を歌ってくれることになり、歌う前に生徒代表の男子生徒さんがこんなこんな話をしてくれました。
「私たちの校舎は流されてしまいました。でも私たちの校歌は残っています。この校歌を歌えば私たちは気仙中学校生徒としての自覚を呼び戻すことができ、同じ気仙中生としての仲間だと感じることができます。」
この話をして「よかったら野村の子どもたちと新しい歌をつくりませんか?」と提案したところ、それまでと違った輝きが野村のみなさんの目に灯ったように見えました。「よしやろう!」と一気に話が進んで同年11月に児童施設「ゆめちゃんこ」で野村小学校合唱部の子たちを中心に歌作りワークショップを開催。
翌年2019年1月には乙亥会館前で初披露されました。
実はこうした歌作り経験のない方々とのワークショップは、この時が初めての経験でした。本当にできるのか?正直にいうと不安でたまりませんでした。でも集まってくれた子どもたち、またこの機会を作るために尽力くださった野村の皆さんの力が結集した結果、この瞬間にしか生まれ得ない【うた】が完成しました。
そして水害から2年後の2020年、世界はコロナ禍という新たな災害に見舞われ、今度はお返しに野村から全国各地へ応援のメッセージを送ろうという趣旨で2作目「のむらからの手紙」
https://youtu.be/TU3n-Xg2Fn4
さらに翌年2021年子どもたちの歌声にここまで支えられ復興を進めてきた野村の大人たちが「今度は自分たちの番だ」という意気込みで3作目「野村人煦」https://youtu.be/9mafJJWT9_E が制作されました。これらは「のむラブソングス」としてCDにもなりました。
このような経緯で何度も野村を訪問するうち、その地と人の魅力に惚れ込んでしまった杉田は2022年8月に2拠点生活として野村にも住まいをお借りすることになりました。
・風って?
杉田が西予市野村と神奈川県逗子の2拠点生活を始めてやりたいこと。
①研究・教育:愛媛大学とのハモニケーション研究を進める。すでに1本、論文は公開していますが( https://hamo-labo.co.jp/research/ )、現在並行して3つのハモニケーション研究実験を愛媛大学社会共創学部 羽鳥先生 片岡先生らと進めています。今後は地域研究として野村という地域が調和的に自治振興されている様子も十二分に研究の対象になると考えています。またそれぞれの地域の学校で学生・生徒のみなさんがハモニケーション的思考について学ぶ機会を持てたらと考えています。
②音楽:野村と逗子で、それぞれ地域の文化や暮らす人々の心意気を盛り込んだ楽曲をつくり披露して「そこに吹く風を感じられる」コンサートを開催したい。両地で互いの地域の歌を紹介することで地域と地域を結んでいきたい。ゆくゆくはお互いの地域を人々が訪問してみなさんが酒を酌み交わすようになったらいいなと想像しています。
③事業:音楽を起点に、さまざまな業種の方々と連携して、地域の皆さんにとって喜んでいただけて、地域の方々にとっても楽しく働ける場となり、地域が調和的にイキイキと持続していくような新たな事業を始めてみたい。
このうち②の実践として10月30日(日)のむら里の風芸術祭2022、12月17日(土)逗子潮風芸術祭2022を開催します。両方2022とつけているからには継続を視野に入れています。今回は文化庁によるARTS for the future!2(コロナ禍を乗り越えるための文化芸術活動の充実支援事業)を活用しているのでこれだけの大所帯でコンサートを企画することができました。今後継続するにはまたいろんな工夫や様々な連携が必要であると思いますが、関わってくださるみなさんが楽しく参加できて続いていくようなコンサートにしていきたいと考えます。
地域に吹く風は、そこに行かないと感じられない。でも音という、出した瞬間消えていく芸術にも風に似た儚い匂いがあります。地域×音楽という風の相乗効果は、互いの魅力を伝える更なるチカラになる。そんな願いを込めて【風】をキーワードにしました。
・内容は?
和太鼓彩・フラメンコギター東川翼・アカペラINSPi、さらに野村の唄い手のみなさん・乙亥太鼓保存会の方々という「野村人煦」演奏フルメンバーで野村で演奏できるのはこれが初。このようなメンバーでやれる機会はなかなかないかもしれません。
さらに野村小学校・野村中学校の生徒さんたちとの「のむらのうた」「のむらからの手紙」
も成長していく子らや新たにこの歌を歌ってくれる子どもたちとの交流も見逃せない瞬間だと思います。
そして野村という生きるチカラに溢れる地域で、関東から来たそれぞれのグループがどのような演奏するのか?絶対野村でしか聴けない演奏になるはずです。
逗子で彩さん・東川さんらとつくった楽曲「風の神送り」「逗葉でごきげんよう」も野村で披露予定。音楽で2拠点を繋ぎたいです。
また、野村や西予市周辺からのお客さんには、改めて外から来た僕らからの目線で野村・西予の魅力をお伝えして、住われている地域のステキさを再認識してもらえたらいいなと思っています。
・宿泊情報
BAR&GUEST HOUSE「ento house」
神奈川から移住されたシーバース玲名さんという女性がつくっためっちゃくちゃおしゃれな古民家ゲストハウス。バーも併設で地元のオモロい人たちとの交流も自然にできます。玲名さんと繋がればこれから再度野村に来るときも安心していろいろご紹介いただけるはず!ゲストハウスは複数人で泊まれば1棟貸しもできるのでぜひ気軽にお問い合わせしてみてください。
ビジネスホテルいのうえ
こちらは素朴なお宿ですが、スタッフの方がこれまためちゃめちゃ優しいです。朝ごはんもいい感じ。以前僕が泊まったとき間違えて鍵を持って帰ってしまったことがあって、慌てて電話してすぐに郵送します!って伝えたら「わざわざすいません😊」って優しい口調で言ってくれてなんか感動しました。
以上2箇所は野村地域内で乙亥会館から歩けるお宿です。車を使えば他にも宿泊施設いろいろありますよ。
・お食事情報
(随時更新していきます)