2022振り返り

あけましておめでとうございます!
年越しは昨年8月から2拠点生活を始めた愛媛県の野村で過ごしました。
とても静かな正月を過ごせて、自分的にちょっとハードだった昨年の疲れが癒されました。
さてそろそろ今年も活動していこうと思い、
まずは昨年の振り返りを書いておこうと思います。

1.文化庁補助金で未来につながるトライができた


文化庁の「コロナ禍からの文化芸術活動の再興支援事業」を目的とした補助金【Art For the Future2】に株式会社hamo-laboとして申請、
採択され5つの主催事業を開催しました。

その結果
「神奈川県逗子と愛媛県野村で初の大ホール公演主催、音楽を活用した地域づくりの実践」
「ボディパーカッションを使った新しいワークショップコンテンツの開発、日比谷音楽祭でも披露」

といった成果があり、また

「2拠点目の生活拠点として愛媛野村に住居をお借りすることになった」
という(自分的にとてもハッピーな)副産物もありました。

補助金を活用して4月に、豪雨災害復興ソングを3曲作ってきた愛媛県野村で弾き語りライブを開催しました。

地域の復興を盛り立てるために、子ども、大人、みなで思いを込めて作った3曲。
それらが歌い継がれて、制作に直接関わってない住民の方々にも馴染んでいただき、
いつか地域のみんなで口づさめるようになったときに、
地域ソングとして本当の価値が生まれると考えました。

そのためには自ら足を運んで、みんなで歌う場をつくるところから。
そんな思いで主催しましたが、下は0歳上は70代と多くの方が飛び入りで参加してくださり
ライブの後、交流会の盛り上がりの中、地元の空き家をご紹介いただくことになり、
翌日内覧させていただき一目惚れ。
勢いで2拠点生活を始めることになりました。

愛媛県西予市野村は山間の美しい里の風景が広がる町です。
山から湧く水が美味しくて、
なので採れる野菜も美味しく、
地元猟師さんによる猪や鹿のお肉も新鮮で滋養深く、
40分ほどで着く八幡浜や宇和島の魚も絶品、
それらでできるお料理も当然最高で、地域のごはん屋さんやお弁当屋さんが超ハイレベルです。

とてものんびりしていて、でも盛り上がる時は思いっきり楽しむ野村の人たち。
外を歩いているといろんな知り合いに会ってご挨拶を交わす野村。
帰ると元気になれる、生きる力が湧いてくる、
そこに拠点を持たせていただけたことは、
仕事にも人生にとってもかけがえのない出会いだと感謝しています。



6月に音楽プロデューサー亀田誠治さんが実行委員長を務められる【日比谷音楽祭2022】に
ハモニケーションワークショップで参加しました。
きっかけは文果組の理事メンバーで親しくさせてもらっている
バリュークリエイト佐藤明さんに推薦いただいたこと。

事前の打ち合わせでスタッフの方から
「感染対策の観点から、参加者が声を出さないでやれないか」という相談をいただき、
それではということで考案したのが、ボディパーカッションでハモるという内容。
20年来友人のプロタップダンサーHAMACHIに相談して、一緒に考え実験して本番に臨みました。

天候にも恵まれた日比谷公園の芝生の上で、未就学児童からお年寄り、海外の方も車椅子の方も、
集まった誰もが簡単に参加できて、共に音楽をつくる楽しみを感じられ、
違う音があるからハーモニーが生まれるという体験が得られるハモニケーションワークショップになりました。

https://hibiyamusicfes.jp/2022/report/07/
(日比谷音楽祭オフィシャルレポート)


9月にはHAMACHIと「TAP×SING」という新たなチャレンジも。
なかなかにスリリングで熱いライブになりました。
この二人でワークショップ・ライブの両方体験できるコンテンツができたので
いろんな地域や学校なども回っていけたらと思っています。


10月には愛媛県野村で【のむら里の風芸術祭2022】を主催。
拠点を持たせていただいてから初の野村公演ということで、移住のご挨拶も兼ねて。
一緒に歌を作った子どもたちも、大人たちも、みなさん駆けつけてくださって一緒に歌えました。
地元ケーブルテレビ西予CATVさんの撮影も入って、
管家 一夫・西予市長も応援に駆けつけてくださり最後はステージに上って一緒に歌ってくれました。

数百人レベルのホールでの主催事業は初で、
スタッフの手配や打ち合わせ、事務作業、地域との連携、宣伝、会場の設営・撤収、感染対策、メンバーのガイドや宿泊移動食事の用意などなど、、、
やることの膨大さに圧倒された当初。

全てのことを抜かりなく滞りなく安全に実施するのに、
本当にたくさんの方々のお力を借り、助けていただき、
いろいろ直前までバタバタでしたが、なんとか無事盛況で開催できました。
改めて野村の方々のチームワークとそれぞれ皆さんの心の強さ・本気さを感じました。




12月には神奈川逗子で【逗子潮風芸術祭2022】を主催。
こちらにも桐ケ谷 覚・逗子市長が来場くださいました。

この日のクライマックスはおそらく、二校が統合され2023年度開校する【神奈川県立逗子葉山高校】の新校歌。
半年間かけて【逗葉高校】【逗子高校】の在校生と一緒にワークショップを重ねて制作してきました。

この日が初披露となったのですが、二校の卒業生や地元の方々から
「素敵な校歌ができましたね」
「次の世代が新しい時代を新しい高校で担っていく、そんな未来を感じる校歌でした」
などお言葉をいただき、
長年歌われていく校歌を作る、という重責を密かにずっと感じてきましたが
少しホッとできました。


コロナ以降、これからの時代の音楽のあり方、
どのようにすれば自分たちミュージシャンが社会に貢献でき活動を継続できるか、
悩みながら考え、生まれた新たなアイデアを
文化庁補助金という予算が得られたことで試す勇気が持てました。
このことを本当に感謝しています。

さらに大規模な主催を一通り経験することで、
多くの方々に技術や事務のスタッフとして協力いただくときに、
それぞれにどれくらいの予算がかかってくるのか、
どれくらいの金額でお互いが持続的に関わり合える仕事になるのか、
全体としてのバランスを考えながらどこを選んで注力し、どこをシンプルにすべきか、
そういったいわば「経営・マネージメント」的な肌感覚が得られたことも、
今年5期目に入る株式会社hamo-laboとして貴重な経験となりました。


文化庁AFF2のWEBサイトをみるとこう書いています。

◉事業の趣旨
長期にわたるコロナ禍により甚大な影響を受けた文化芸術活動の再興を図るため、プロの文化芸術関係団体(法人を含む。以下同。)が、感染対策を十分に実施した上で積極的に公演等を開催し、その活動の充実・発展を図る取組を支援します。


チャレンジしてみて、まさに今、hamo-laboの2022年の活動に充実・発展を感じられています。
補助金申請から実施から実績報告(報告はまだ済んでません…汗)まで、
めちゃめちゃめちゃめちゃ大変やったけど、やってよかった!!!

2.ワークショップによる地域ソング制作の継続

2022年は上記の校歌制作に加えて、


大阪茨木市での一般向けワークショップでつくった【いばらきのうた】



愛媛大学社会共創学部「景観デザイン論」受講生の皆さんと講義の中で一緒につくった【松山サイコー Bicycle City Yeah】

と3曲の地域ソングができました。


【逗子葉山高校・校歌】の制作を主に進めた有志メンバーの生徒さんたちからは

「プロジェクトメンバーになった最初は、本当に自分たちが校歌をつくれるのか不安だったけど、
完成した歌を歌っていると、これから入学してくる後輩が自分たちの書いた歌詞を歌ってくれることに誇りを感じる」

「これまで作詞作曲なんて自分にできるものじゃないと思っていたけど、
ワークショップに参加したことで興味が湧いて今ではPCで作曲するのが趣味になりました」

などの嬉しい感想をいただきました。


【いばらきのうた】ワークショップ参加が刺激となって、自分が勤務する児童センターの歌を制作したという方もいらっしゃいます。


本年も愛媛県野村町の中の「大和田地域」の歌をつくるプロジェクトに関わらせていただいています。

さまざまな広がりを感じています。


歌をつくることは特別なことではなく、まるで日記を書くような気軽さで取り組んでもいいのでは、
そう考えてワークショップを行っています。
これまでできないと思っていたことがやってみると出来た、その実体験が特に若い世代には有意義だと感じます。
またみんなで一緒に歌をつくる体験が、互いの理解に繋がり、調和的な関係をつくる。
そんな効果もあるとみています。

【松山サイコー Bicycle City Yeah】の制作と参加学生さんの変化について今後学術論文としてまとめていきます。
大学での研究と、ワークショップの実践の両輪で、
音楽が社会に役立つ場面を、より多く、より気軽に、より楽しく、増やせていけたら。
世界が居心地よくなるのではと願っています。

3.ハーモニー学術論文を公開

6月に愛媛大学社会共創学部との共同研究の成果を論文【協働の場づくりに向けたハーモニー共同行為の効果検証】として公開しました。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000056392.html

音楽の有効性が学術的に実証できることで、
より多くの場に音楽を活用していこうという意思を持った方々の背中を押すことができるのでは、と考えています。

この論文や、野村での復興ソングによる地域づくり活動が認められ、6月から愛媛大学社会共創学部客員研究員になりました。
現在も音楽ハーモニーや歌づくりワークショップなどに関して3本の論文制作を進めています。


まとめ

一年を振り返って、今まわりを見渡すと、
とても心強い仲間の存在を感じます。

共に演奏する仲間、共につくる仲間、共に研究する仲間、共に広める仲間、共に描いたイメージを現実にしてくれる仲間・・・

昨年末に参加した亀田誠治さんの講演での言葉
「自分の持てる最大限の能力と、最大限のチーム力を、出し惜しみしない」
日本のトップ音楽プロデューサーの仕事術からも、チームの大切さを改めて学びました。

2022年はチームをつくる一年だったように感じます。

音楽は素晴らしい!チームをつくるときにも役立つ道具です。

2023年、多くの方の、互いを高め合える仲間との出会いやチームづくりに
hamo-laboのハモニケーションワークショップが役立てますよう。

本年もどうぞよろしくお願いします♪