【歌の力】の証(あかし)

2つの県立高校が統合され今年度開校した
「逗子葉山高校」

昨年度、在校生有志を中心にワークショップを重ねて一緒に作詞作曲した新しい校歌の校歌板が
体育館に掲示されたと校長先生より写真をいただきました。


4月6日には統合校のひとつ、逗葉高校の伝統を引き継ぎ、
野球部員による斉唱が行われる予定です。



校歌をいつかつくりたい。そう思ったのは2012年5月、
東日本大震災で被災した岩手県陸前高田市の気仙中学校で歌ったことがきっかけでした。

音楽が少しでも復興に向かう力になれれば・・・
そんな想いで現地に行ったものの、
自分たちの無力さを感じざるを得ない被災地の現実を目の当たりにして、


ステージに立つのが怖い。


それが本当の正直な気持ちでした。

逃げたくなる気持ちを奮い立たせて、
とにかく全力でやるしかない。

そう自分を鼓舞してなんとか務めたステージの最後

気仙中学代表生徒の方のスピーチ

「私たちの校舎は流されてしまいましたが、校歌は残っています。
仮校舎で過ごす日々の中で、いつも、気仙中生としての誇りを呼び覚ましてくれたのがこの校歌でした」

そして、続けて歌われた全校生徒による校歌斉唱が心を激しく打つ素晴らしい歌声で、

この時の経験から

・校歌とは地域の歌である。卒業生を含め、世代を越えて地域の人々を結びつける力がある。
・特に災害など、非常時にはそうした地域の歌としての校歌が人々を勇気づけ復興に向かう力の元となる。

こうしたことを感じ、改めて歌や音楽の力の本質をみた思いでした。




この経験から2018年7月の西日本豪雨で被災した愛媛県西予市野村町とご縁をいただいた時、
決意して提案して、その後地域の小学生や大人たちと歌作りワークショップにより3曲の地域ソングをつくりました。

そしてそれらの活動が今回の新校校歌制作ワークショップにつながっていきました。

気仙中学校の時に感じた自分の無力さがこの新校校歌制作の原点です。



統合前の2校のうちのひとつ、逗子高校は昨年度が創立100年周年でした。
学校は100年続くこともある。
続く限りこの校歌は代々歌い継がれる。

自分の命の灯火はいつか消える。
でも自分が制作に関わった歌が歌い継がれる限り、
自分の願いや想いは生き続ける。

信じて続けてきた【歌の力】のひとつの証(あかし)が残せたと、

今振り返ってみてふとそう思います。



改めまして、神奈川県立逗子葉山高校、開校おめでとうございます。
貴校がこれから長きに渡り、数多の若者の、
ありのままの「命の音」が響き合う場であることを願っています。